墓石のパーツの名称と種類!石材や設置の選び方など

著者:鈴木石工店

「どんな種類があるのか分からない」「素材によって価格や耐久性に差があるの?」「香炉やカロート、墓誌って何のためにあるの?」と、悩む方は少なくありません。

実際、石材店やショップでは多くの部材が取り扱われており、外柵や花立、納骨の構造、さらには加工やデザインの選び方ひとつで、費用も大きく変わってきます。たとえば御影石を使用した場合、耐久性に優れた一方で価格も上がる傾向にあり、適材適所の判断が必要になります。

墓石のパーツにはそれぞれに意味と役割があり、カロートや香炉、水鉢などの設置場所や構造の違いによって、メンテナンス性や家族の供養スタイルにも影響します。知らずに選ぶと、後悔や追加費用の原因にもなりかねません。

この記事では、パーツごとの特徴や種類、素材と加工の違い、さらには石材店選びのポイントまで、丁寧に解説していきます。

墓石の建立からリフォームまで、安心の施工を提供します – 鈴木石工店

鈴木石工店は、墓石の建立からリフォーム、墓じまいや移転、戒名彫刻、サンドブラスト加工、石材を使用した工芸品や彫刻品、庭じまいの施工など、幅広いサービスを提供しております。お墓に関するご相談は、設計から施工まで一貫して承ります。また、墓石のリフォームや点検も行い、亀裂や傷の修繕を通じて安全性を確保いたします。墓じまいや移転に関しても、永代供養墓や共同納骨堂への移行など、管理や掃除の負担軽減策をご提案いたします。石材を使用した工芸品や彫刻品の制作、庭じまいの施工も承っております。お墓に関することはもちろん、石材に関するさまざまなご要望にお応えいたします。お気軽にご相談ください。

鈴木石工店
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住所 〒990-1302山形県西村山郡朝日町玉ノ井366-3
電話 090-3121-5353

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墓石のパーツ!基本構造と種類

和型墓石・洋型墓石のパーツ構造の違い

日本の墓石には大きく分けて「和型」と「洋型」の2つの形式があります。それぞれに特徴的なパーツ構造があり、宗教的背景や地域の文化、家族の考え方によって選ばれています。まず和型墓石は、伝統的な仏教の形式に則って構成されており、一般的には縦に積み重ねられた三段構造が基本です。一方、洋型墓石は横長でシンプルなデザインが特徴で、近年では都市部や洋風霊園を中心に人気が高まっています。

和型墓石の構成は、上から「竿石(さおいし)」「上台石(じょうだいいし)」「中台石(ちゅうだいいし)」「芝台(しばだい)」といった積層型の設計が特徴です。竿石には故人や家名が刻まれ、上台や中台はその土台となる役割を担っています。また、芝台は地面に最も近い部分に設置され、墓石全体の安定を支える重要な部分です。

一方で、洋型墓石では竿石が比較的横に広く、プレート状の形をしていることが多く、彫刻やモチーフを施す自由度が高いのが魅力です。上下の構造が少ないため、地震などの災害にも強いとされており、メンテナンス性にも優れています。特に都市部ではスペースの制約があるため、洋型のコンパクトなデザインが選ばれる傾向にあります。

以下に、和型と洋型の基本的なパーツ構造の違いを一覧で比較してみましょう。

墓石タイプ 主な構成要素 特徴と用途
和型墓石 竿石、上台石、中台石、芝台、花立、水鉢、香炉 縦長の三段構造が基本。重厚感と格式があり、仏教的意味合いが強い。
洋型墓石 竿石、台石、花立、水鉢、香炉 横長でデザイン性が高く、地震に強い。彫刻や装飾が自由で現代的な表現が可能。

主要な墓石のパーツとその名称・役割一覧

墓石は単なる「石」ではなく、細かなパーツが集まって一つの霊標を構成しています。それぞれのパーツには名称と明確な役割があり、宗教的・機能的意味を持っています。特に近年ではリフォームやパーツ単位での交換・修復の需要が高まっており、それぞれのパーツの理解は欠かせません。

代表的な墓石のパーツには以下のようなものがあります。

パーツ名 役割と解説
竿石 最上部に置かれ、家名や戒名などが彫刻される。墓石の象徴的存在。
上台石・中台石 竿石の下に置かれる土台石で、墓石全体の安定性を高める。複数段に重ねて設置されることが多い。
芝台 最下層の台座部分で、墓石全体を支える基礎。地面との接地面として耐久性が求められる。
カロート(納骨棺) 遺骨を納める部分で、地下に設置されることが多い。通気性や排水性が重要。
花立 花を供えるための器具で、左右対称に配置される。水替えのしやすさも考慮されている。
水鉢 故人の喉を潤す意味を持つ。水を注ぐ器として設置される。
香炉 線香を供える場所。風防つきのデザインもあり、火の安全性にも配慮されている。
墓誌 故人の名前や年号、経歴などを記載する追加の石版。複数人の納骨がある場合に設置されることが多い。
拝石 参拝者が立つ場所を明示するための石材。滑り止め加工などが施される。

これらのパーツは、宗派や地域、霊園の規定によって微妙に構成が異なる場合があります。特にカロートの形状や設置方法は、風土や地盤条件によって変化するため注意が必要です。また、現代ではバリアフリー化を意識して、段差をなくした構造や車いすでも参拝しやすい配置が選ばれるケースも増えています。

近年注目されているのが、パーツの素材や設計に関するアップグレードです。例えば、香炉や花立はステンレス製にしてメンテナンスしやすくしたり、芝台の角に丸みを持たせて安全性を高める工夫などもあります。風化や地震によるズレを防ぐための耐震加工が施されたパーツもあり、長期間にわたって安全かつ美しく保つ工夫がなされています。

墓石のパーツごとの特徴と意味

カロート(納骨棺)の構造と重要性

カロートとは、墓石の内部に設置される納骨棺であり、故人の遺骨を納めるための最も重要なスペースです。お墓の中心的な機能を担うこの部分は、構造的・宗教的にも大きな意味を持っています。多くの人が「カロートの種類や構造についてよく分からない」「どんな材質や大きさが適切なのか判断できない」と悩まれますが、適切な知識を持っておくことで、後悔のないお墓づくりが可能になります。

カロートには「地上型」と「地下型」の大きく2種類があり、地域の風習や霊園の規定、さらには施工のしやすさなどにより選ばれます。以下の表はそれぞれのカロート構造の特徴を整理したものです。

カロートの種類と特徴

カロートの種類 特徴 メリット 注意点
地上型 墓石の台座部分に組み込まれた納骨棺 水はけが良く、湿気がこもりにくい 風の強い地域ではズレが生じやすいことも
地下型 地中に設けられたコンクリート製の空間 見た目が自然で、安定性が高い 湿気・浸水対策が必要

構造面では、カロートは必ずしも石製とは限りません。近年では耐久性やコストの観点から、ステンレス製やコンクリート製の納骨室も採用されつつあります。また、家族用の大型カロートを設けて、複数名の遺骨を納めるケースも一般的になってきています。

重要なのは「換気」「湿気対策」「排水機能」の3点です。特に東北地方や日本海側の地域では雨や雪が多く、地下型カロートには浸水リスクがあります。このため、カロートの施工時には底部に砂利層を設ける、フタを完全密閉しないなど、実用性を重視した加工が求められます。

次に宗教的な意味合いですが、カロートは単なる遺骨収納スペースではなく、「故人と生者のつながりの場」としての機能があります。仏教では霊魂が宿る場所として重視されており、年忌法要や彼岸の時期にお参りする際の心の拠り所でもあります。そのため、風通しがよく、かつ清潔に保たれた状態が理想とされます。

納骨のタイミングについても、地域差や宗派によって様々です。一般的には四十九日や一周忌の法要と合わせて行われますが、最近では火葬後すぐに納骨する「即納方式」も増えています。こうした点も考慮して、設計段階から柔軟な対応ができるカロートを選ぶことが大切です。

また、石材店に依頼する際は、カロートの構造や寸法、施工方法を事前に明確に確認することをおすすめします。契約後に「骨壺が入らないサイズだった」「換気口がない」といった問題が発覚するケースも珍しくありません。以下は依頼時の確認項目をまとめたチェックリストです。

カロート設計前の確認ポイント

  • 地上型か地下型か(霊園規定に合致するか)
  • 収容可能な骨壺数と将来的な増設可否
  • 排水・換気機能の有無
  • 素材(御影石・ステンレス・コンクリートなど)の違い
  • フタの開閉構造と耐久性
  • 清掃・メンテナンスのしやすさ

墓誌・水鉢・香炉など装飾パーツの意味と配置

墓石の外観やお参りの際の使い勝手に大きく関わるのが、装飾パーツです。墓誌・水鉢・香炉はそれぞれ機能と意味を持ち、配置の仕方によって見た目の印象だけでなく、宗教的な意味合いにも違いが生まれます。ここではそれぞれのパーツの役割と、選び方、正しい配置方法について詳しく解説します。

まず「墓誌」とは、故人の戒名・命日・俗名などを記した石板のことです。通常、主碑の隣に立てられ、先祖代々の記録を残す場としての意味を持ちます。墓誌には複数の種類があり、以下のような特徴があります。

墓誌の種類と特徴

種類 特徴 使用例
縦型 細長い板状で主碑の横に設置される 伝統的な和型墓石に多い
横型 地面と平行に寝かせて設置される 洋型墓石に多く、見た目が柔らかい印象に
一体型 主碑と墓誌が一体で設計されている スペースの節約、モダンなデザイン墓に多い

墓誌には「記録としての意味」だけでなく、「追悼と感謝の場」としての精神的な役割があります。複数名を記載できるため、後の代への継承もしやすく、長期的な視点から設置を検討する人が増えています。また、戒名の追加彫刻には費用や納期がかかるため、事前に石材店と相談し、柔軟な対応が可能か確認することが重要です。

近年では水鉢にもさまざまな種類が登場しており、素材・形状・加工によって機能性や見た目が異なります。

水鉢の比較表

項目 内容
主な素材 御影石、ステンレス、セラミックなど
形状 丸形、角型、花型、蓮華型など
加工方法 滑り止め加工、防汚コーティング、撥水処理など

お手入れのしやすさや冬季の凍結対策も踏まえて、地域の気候に合った水鉢を選ぶのが理想的です。特に山形県のような寒冷地では、ステンレス製の水鉢が好まれる傾向にあります。

香炉は線香を供えるための台で、墓前に設置されることで「煙とともに故人に思いを届ける」役割を果たします。香炉にも複数の形式がありますが、近年は風除け機能がついた蓋付き香炉の人気が高まっています。

香炉の代表的なタイプ

  • 屋根型香炉:屋根がついており、雨風に強い
  • 開放型香炉:デザイン性に優れ、シンプルで現代的
  • 香立て内蔵型:線香を立てる穴があり、安定性が高い

墓石のパーツの素材と加工技術

御影石・ステンレスなど素材別の特徴と選び方

まず最も一般的なのが御影石です。御影石とは、花崗岩の一種で、非常に硬く、風化や劣化に強い性質を持っています。日本国内では、庵治石(香川県)、大島石(愛媛県)、真壁小目石(茨城県)などが有名で、いずれも重厚感と高級感を備えています。御影石は色味や粒子の細かさによってランクが分かれており、同じ種類でも採石場によって価格や評価が変わる点にも注意が必要です。

一方、近年注目されているのがステンレス素材を用いたパーツです。水鉢や香炉、花立など、一部のパーツをステンレスで製作することで、掃除のしやすさや耐腐食性を高めることができます。特に、湿気が多い地域や酸性雨の影響を受けやすい都市部の霊園では、ステンレス製のパーツは耐久性に優れ、長期間にわたって美観を維持しやすいというメリットがあります。

以下に代表的な素材とその特長を比較を掲載します。

素材名 特長 向いている部位 耐久性 見た目の高級感 管理のしやすさ
御影石 高硬度・吸水性が低い 本体、台座、塔婆立て 高い 高い 普通
大理石 柔らかく加工しやすいが劣化しやすい 彫刻部、デザイン要素 低い 高い 低い
ステンレス 錆びにくく掃除が簡単 水鉢、香炉、花立 非常に高い 中程度 非常に高い
セラミック 加工の自由度が高い 一部デザインパーツ 中程度 高い 高い

また、素材選びで重要なのが「エリア特性への適応」です。例えば、寒冷地では凍結膨張による石材の割れが懸念されるため、吸水率が低く硬度の高い御影石が望まれます。一方、湿潤なエリアでは苔が生えにくい表面処理や、掃除しやすいステンレス素材が効果を発揮します。

選び方のポイントとしては、以下のような観点が挙げられます。

  1. 設置場所の気候や環境条件に合った素材か
  2. 見た目の好み(色・粒の細かさ・光沢)に合うか
  3. 予算に見合っているか(特に国産・輸入御影石の価格差)
  4. メンテナンス頻度をどこまで許容できるか
  5. 一部パーツだけステンレスやセラミックを組み合わせられるか

これらをふまえ、墓石のパーツの素材選びは、単なるデザインや価格の比較だけではなく、長期的な維持管理やご家族の供養のあり方にまで影響を与える重要な要素だといえます。

彫刻・撥水処理など加工技術と耐久性の違い

墓石は単に石を組み合わせただけでは完成しません。美しい文字や模様を刻む彫刻、風雨による劣化を防ぐ撥水処理など、加工技術の違いが長期的な耐久性や見た目の美しさを左右します。ここでは、主要な加工技術の種類とその耐久性、特徴、選ぶ際の注意点について詳しく解説します。

まず、最も基本的な加工が彫刻です。彫刻には、手彫りと機械彫りがあります。手彫りは職人の技術が光る伝統的な方法で、細かい陰影や筆の勢いを再現できるのが特徴です。一方、機械彫りはレーザーやサンドブラストを用いて均一かつ高速で彫刻が可能なため、費用を抑えながら品質の安定が図れます。近年では、両者を組み合わせた「機械下彫り+手仕上げ」が主流となっており、品質と効率のバランスを取る形が一般的です。

次に撥水処理についてですが、これは墓石の表面に特殊なコーティングを施し、水や汚れをはじく加工を指します。墓石は風雨や紫外線にさらされ続けるため、時間とともに劣化や色あせ、苔の発生などが避けられません。撥水処理を施すことで、石材内部への水分の浸透を防ぎ、凍害や汚れの沈着を抑えることが可能になります。

以下は主要な加工技術の比較表です。

加工技術 特長 耐久性 費用相場 おすすめ対象
手彫り 職人技術が光る、芸術的で個性的 高い 高め 伝統や格式を重視する方
機械彫り 均一でスピーディー、コストパフォーマンス良 中~高 価格と品質のバランスを重視する方
撥水コーティング 汚れ・苔・水を防ぐ、表面保護効果 高い やや高め 維持管理を重視する方
サンドブラスト 高精度な模様・文字彫刻が可能 高い デザイン性の高い墓石を求める方

また、加工技術は施工後のメンテナンスにも大きく関わります。撥水処理を施していない墓石では、雨水が染み込んで凍結し、内部からひび割れを起こすことがあります。特に冬季にマイナス温度を下回る地域では、撥水加工が必須といえるでしょう。

まとめ

墓石のパーツの選び方ひとつで、故人の想いを形にする方法は大きく変わります。御影石やステンレスといった素材の違い、撥水加工や彫刻などの技術、さらにカロートや香炉、水鉢といった各部材の役割と意味を正しく理解することで、より納得のいくお墓作りが実現できます。

例えば、彫刻の深さや文字の配置によっては、年月が経っても視認性を保ちやすくなるため、メンテナンスコストの抑制にもつながります。また、墓誌の設置方法やカロートの構造を理解することで、納骨の際のトラブルを未然に防ぐことができます。

霊園の規定やエリアによっては使用できる素材やパーツに制限があることもあるため、石材店に相談する際には具体的な知識が役立ちます。事前に内容を把握しておくことで、不要なオプションや高額な追加施工を避ける判断にもつながります。

この記事でご紹介したように、それぞれのパーツには意味があり、適切な選定が最終的な費用や満足度に直結します。放置してしまうと、後悔や無駄なコストの発生にもつながりかねません。

パーツの特徴や加工技術を踏まえて、お墓の目的や家族の供養スタイルに合った最適な選択をしてください。慎重な準備が、安心と後悔のない墓石選びへの第一歩となります。

墓石の建立からリフォームまで、安心の施工を提供します – 鈴木石工店

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よくある質問

Q.パーツごとに耐久性は違いますか?寿命の目安はどれくらいですか
A.はい、素材や加工内容によって耐久性は大きく異なります。御影石のような硬質素材は、撥水加工や磨き加工を施すことで30年以上の耐久性を持つとされます。一方でステンレス製の部材は錆びにくさが強みですが、周囲の環境によっては10〜20年程度で交換が必要になるケースもあります。香炉や墓誌、水鉢といった装飾パーツも定期的なメンテナンスが寿命を延ばす鍵となります。

Q.墓石のパーツの掃除やメンテナンスはどれぐらいの頻度で行えば良いですか
A.理想的には年2回以上、春秋のお彼岸やお盆の時期に合わせて掃除を行うのが一般的です。特に水鉢や香炉などは雨水や線香の灰がたまりやすく、素材によっては劣化の原因になります。撥水加工がされていない墓石のパーツは汚れやすく、年3回程度の清掃を推奨します。市販の墓石用洗剤を使った簡易清掃に加え、5〜10年に一度の本格的なメンテナンスを依頼することで、美観と耐久性を長く保つことができます。

会社概要

会社名・・・鈴木石工店
所在地・・・〒990-1302 山形県西村山郡朝日町玉ノ井366-3
電話番号・・・090-3121-5353

  

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